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2007年10月08日

新書:森達也「王様は裸だと言った子供はその後どうなったか」

 集英社新書。735円也。

 童話やおとぎ話、果ては仮面ライダーまでを題材に社会風刺をからめながら構成された新書。森氏の著作は「ご臨終メディア」に続いて2作目。実は映像作品は未だ手つかず。

 本文は比較的くだけた文体で書かれており、1編あたり20〜30P前後でまとめられていて、さっと読むことが出来た。政治や報道、日本人の集団心理などについて、各作品を下敷きに交えられていて、さっと読めつつも考えるべき点は多い。

 「桃太郎」「ふるやのもり」「ねこのすず」「泣いた赤鬼」あたりは、時折読み返したいと思う。特に報道風刺を取り上げた「桃太郎」は秀逸で、たわいもない映像に危険を煽るナレーションを入れていくという手法に注意を促しているように感じた。

 ちょうど「桃太郎」の編を読み終わった頃に、独裁国家を取り上げたニュースバラエティ番組が放送されており、その冒頭部分がまさに「桃太郎」だった。例えば、現地を取材した人物が入国審査で3時間かかったのを煽るような口調で説明したり、夜に誰もいない外で少し離れた所にいる警察官に見られたことを「今、見られました」的に怖がる、というような誘導的な発言が多数。番組本編はもう少し違う角度で議論していたようですが、少なくともこの前段の作り方は目に余った。

 また、「ねこのすず」や「泣いた赤鬼」のように、「自分」ではなく「みんな/われわれ」というような発言で知らない間に1つの意見に集約されてしまうことにも危険な側面があるなと。ただ、果たしてそういう状況が来た際に抗い続ける力が自分にあるのかと思うと少し自信がない。

 Amazonでは今時点在庫切れ。ただ、中身検索に対応しているので少しだけ読めるようです。


王様は裸だと言った子供はその後どうなったか (集英社新書 405B)王様は裸だと言った子供はその後どうなったか (集英社新書 405B)
森 達也

集英社 2007-08
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 作中で触れられていた作品。気が向いたら読む用にメモ。


環境リスク学―不安の海の羅針盤環境リスク学―不安の海の羅針盤
中西 準子

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posted by MEI at 03:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | コミック・書籍
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